第29話 その3

その方は言った
あなたがたに一つの話をしよう

あるところに 一つの家族があった
父は 自分の愛する子に 贈り物を与えた
子どもはそれを見て喜び 箱の紐を解いて中身を取り出した
彼はそれを手に取って その先に父の望んでいることを思い描きながらそれを振るった
彼はそれを持って 自分の周りを彩った
それは 彼にしかできないことであって 父は彼がどのようにこの世界を彩っていくのかを楽しみにしていた

子どもは 日々自分に与えられたものを見つめ その先にある希望を口に出しては それを実行した
それは 次々と形をあらわし やがて彼自身の歩む道となっていった

人は自分自身を知って 自分の持っているものを知る時 その先にある道に気付き歩み始めるのである
あなたがたは 生まれる前から 父は何を与えどの道を歩むのかを書に書き記されている
人は その道にあるあらゆるものに名前を付け それが彼の道にあるものの名となったが それは人自身が作り出したものではない
人は 自分のためにその見るすべてに印をつけるが それを創り出したのは わたしの父が命じたからである

子どもは父のすることを見ているために 自分がすべきことも知っている
そして それがどうなっているのかも知っている
あなたがたの与えられた賜物は道具であるが あなたがたの周りを彩る種 その願いはあなたがたのうちにあるのだ
賜物は用いることでその意味を果たすが その流すものはあなたがたの胸の内に起こされた父の思いなのである
だから あなたがたのすることを父にゆだね その一切をきよくたもちなさい
また 自分のすることがことごとく純粋であるかを 確かめなさい
あなたがたが 心から願いに忠実であり わたしの父に忠実であるならば その種は内に秘められた実を結ぶに至るだろう