第26話 その2

その方の車は 町を離れて山へと向かった
周りには畑も建物もなく 野が広がっていた
その方は木の陰に車を止めると そこで子どもたちを下ろした
そして 彼らに言った
あなたたちは ここからあの地を治めるにふさわしいものを探してきなさい
地を治めるにふさわしいものは そこにいて溺れるものであってはいけない
水の上であっても立つことができ かつ 溺れている人をも引き上げるようなものでなければならない
水の上は 絶えず波が襲い来るだろう
しかし そのものは決してそれに飲まれることなく 自分の任されたものを守り抜くだろう
子どもたちはその方のことばを聞いて頷き 自分たちの荷物を持って 山の方へと歩いて行った

その方は彼らの後ろを見つめて言った
あなたがたは 地を治めるためにわたしが連れ出した
だから あなたがたもわたしが救い出して育てているように
それぞれの地にふさわしいものを見出して建て上げ 子どもたちを治めることができるようにしなさい
それは偉ぶるようではなく かえってしもべのように仕える心を持ち
わたしの注がれた愛を持って 行うものでなければ
きっと子どもたちは飢え渇き 野をさまよう羊のようになってしまうだろう
あなたがたは それを知っている
そして それを明かしたものをも知っている
幸いなものたちよ 祝福されたものたちよ あなたがたがしてもらったように 人にもしてやりなさい

あなたは勇士のように私の前に立って戦われる
あなたは口の息によって み前に立ち向かうものを退けられ
あなたの栄光によって すべての敵はおじまどい ひれ伏します
どうぞ私たちをあなたのうしろを歩ませてください
あなたの衣をつかみ そのうしろを歩いて喜び歌わせてください
(あなたは私たちを幼子のように抱き 乳飲み子のように懐で養われる)

さて 子たちはその方に送り出されて 歩いて行ったが 周りには木や野の草の他に何もないのを見た
そこで 子たちは自分の背負っている荷物 その方に渡されたものを確認するためにその場に留まり
それぞれの荷を降ろした
そこには岩があって 子どもたちはそこに座り 少しの間休息を得た
子どもたちが降ろした荷を開いてみると それは多くの花と 少しの種であった
そして その中にはパンと水もあって 子どもたちは感謝してそれを頬張った

食べ終えると花を見つめて どうすべきかを考えた
花は町の花屋にあったもので 王女たちが持っていったものの残りであった
羊はそれらをじっと見つめ よだれを垂らしたが すぐに首を振って余計なものを振り払った
女性は言った
この花は どこかへ植えるためのものでしょうか
それとも 誰かへあげるためのものでしょうか
少女は考えつつ 手を動かして それらを装飾し 花束を作った
それは複数の花束であった 花があまりにも多かったからである
女性は感心して言った
次々と花束を作りますとは
少女も 自分が花束を作っているのに気付き 驚いた
それは無意識のうちに紡がれ 彼女の意図しないうちにできあがったものであった

一通りのものが出来上がったので 一行は立ち上がり 花束を持って歩き始めた