第25話 その8

その方は 言いました
そろそろ時間だ
子どもたちが振り向くと そこにはその方が車を引いて立っていました
そして その近くには 白く輝く門が開いていました
それは 羊と少女が本の中から帰る時に開いていたもので 羊と少女と王女が暗いところから帰る時に通ったものでした
それを見ると 王女は歩き出しました
そして その後を 花屋の女性と領主であった老夫もついていきます
少女は言いました
自分の国に帰っちゃうの
王女は振り向いて答えました
うん 時間が来たから
私のすべきことが終わって 得るべきものは手に入れたから
これから先は 私たちの産まれた国に帰って 建て直すわ
大丈夫 私には父も母もいなくなってしまったけれど この人たちが私とともに来てくれるから
花屋の女性は言った
私はこの町を出たことはないから はじめての土地に行くのにわくわくしているの
そうしてほほえむ女性の顔は まるで幼子のようにやわらかなものでした
領主であった老夫もいいました
私はすべてを残ったものに任せて 自分の進むべき道に進むとしよう
この女性の育てた花たちも その先で人々に配ろうか
私たちの婚姻の時が来たのだから この喜びを多くの人と分かち合うために

羊は 王女たちを見て めえ と鳴きました
少女は 王女に言いました
その花は 私たちの時のように 光に満ちている
どうか その光が絶えることなく あなたたちの道を照らしてくださいますように
王女は笑って答えます
あなたたちも これからの道のり きっと険しい道になると思うけれど
その中でこそ訓練されて その方にふさわしい花嫁として成長しますように
その方は 王女たちに言いました
もうすぐ この地は洗い流されるだろう
わたしたちはそのときのために備えなければならない
旅立つものたちよ すぐに扉をくぐりなさい
その先にも わたしはいるのだから
王女は頷いて 父と母となった二人の手を引いて 白い門の奥へと進んでいきました

白い門が閉じると その姿はすぐに消えてしまいました
その方はそれを見届けると 口を開きます
さて この地にはいま 主人が不在の状態だ
しかし わたしたちの父は この地にふさわしいものを見つけてくださっている
その人を探しに行こう
まだこの地は 目先のことにとらわれている人が大勢いる
だから あなたがたは 人々に惑わされないように その汚れた水にふれないようにしなさい
水は水によって洗い流される
ここは もうすぐ洪水が起こる
そして 必要なものと不要なものとを分別するだろう
子どもたちは頷いて その方のあとへとついていき 車の中へと乗り込んでいきました