第25話 その7

女性は中を覗くと 水が入っていて日に照らされ 女性の顔を映していました
その光は 女性には眩しく まっすぐに見ることはできません
女性は顔を背けて言いました
私のしわだらけの顔を見たところで 美しさのかけらも見いだすことはできないわ
女性は手で顔をおおってしまいます

少し離れたところで 老夫は女性を見ていました
そして 初めて胸の高鳴りを感じました
何十年も使われていなかった暖炉に火が灯され燃え上がるように 老夫の体中の血液は目まぐるしく流れ
?は高揚していきます
老夫は 女性のところへとかけていき 顔をおおう手をとって 言いました
あなたこそ 私の探し求めていた花だ あなたこそ私の願いも止めていた蕾であって 私の希望の光だ
女性は急に現れた男性に驚き また 自分にそのように語りかけられることが信じられず 頭はついていきません
男性 領主である老夫は言います
あなたの顔をよく見てください
あなたは 本当に麗しく ここにあるどの花よりも 私の見てきたどんな宝石 どんな尊い金よりも 好ましいものです
女性は語られるままに少女の持つコップを覗き込みました
すると そこにはしわやしみが一つもない 美しい女性が映っていました
女性はおもわず手を伸ばし 少女からコップを受け取ります
これが 私の姿なのですか
そして 女性は涙を流しました

小さな魚は コップの中から女性を見つめていました
その顔は赤く 光り輝いていて 眩しく感じるものでした
そして 女性の涙は頬を伝い コップの中にこぼれました
小さな魚はそれを食べ そして思いました
これは 大人たちの食べていた食物の匂いがする
でも 川の中では感じたことのない あたたかいものが うちに溢れる
これは なんなのだろう
小さな魚は もぐもぐと口を動かしながら 女性の顔を見上げました

老夫は王女に言いました
あなたの持つ花を私にくれるかい
私はこの人に 私からその花を渡したいんだ
王女は笑ってその花を差し出し 老夫はそれを受け取りました
老夫は女性に言いました
これを持ってともに私たちの旅路を歩んでくださいませんか
女性は男性から鉢に植えられた花を受け取ると はい と答えました