第24話 その2

その方は言った
あなたは思い違いをしてはいけない
あなたは一つであり 一人の人間である
あなたは獣でも鳥でも水の底に潜むものでもない
わたしの父が望んで言い送った その願いのとおりに形作られたものだ
あなたはその声を聞いたのなら 心をかたくなにすることなく それを宣べ伝えなさい
あなたが言葉を受けたのなら あなたが届けなさい
それをほかのものに任せようとしてはならない
あなたは二人ではなくひとつであって そのことばを聞いたのはあなた自身なのだから

少女はそれを聞いて 幕を開けようとした手をおろした
すると 後ろから めえ という声を聞いた
羊が少女の後ろまで起きて歩いてきていたのである
その声は外にも聞こえ その方は声をかけた
きなさい 我が子たちよ
少女は幕を開けて 羊とともに外へと出た
その方と女性とが立って こちらを見ていて 女性の目は 先ほどのようにうつろなものではなく 月明かりのように澄んだものであった
女性は口を開き 少女たちに言った
ちょうどよかった
あなたがたに聞いてもらいたいことがあるんだ
ぼくが記して 夢を見た出来事を
女性は目を閉じ 書き 夢に見た出来事を思い出すように ゆっくりと話始め
夢の内容を二人に話した
話し終えると 女性は目を開けて二人を見て 言った
これは 次に向かうところの話
大丈夫 これまでと同じように その方がいるんだから
何が起きても たとえ嵐が来ても それをしのぎ 乗り越えることはできる
その方は言った
わたしの父は わたしに行くように命じられた
それ故わたしはわたしに与えられた子たちを連れて歩まねばならない
その足を遅らせることも 早まらせることもゆるされない
それは うちに与えられた霊に導かれて進むのだ
あなたがたは 遅れることの無いように 離れることの無いように わたしについてきなさい
少女と羊は その方を見て こくりとうなずき 返事をした