第23話 その11

すると 女性は言った
何か叫び声が聞こえませんか?
みんなは女性を見て 耳を澄ました
しかし 人々の騒ぎに塞がれてそれ以外は聞こえなかった
女性は もう一度行った
やっぱり 何か聞こえます
こっちに来てください
女性はみんなをつれて 声の聞こえる方向へ歩いて行った
それは 先ほど船の下に行った階段のところだった
女性はその階段を下っていき 穴が空いていたところへと来た
穴のあった場所を見てみると それは塞がれていて 人の姿もなかった

女性は言った
この辺りから聞こえていたはずなのですが
少女たちは辺りを見回したが 人影はなかった
すると 羊は何かに気を取られたように とことこと歩いて行った
少女はそれに気がつき みんなとともに羊の後へついて行った
羊は ある扉の前に止まり 少女の方を向いて めえ と鳴いた
この中から何かを感じる と羊は伝えたかった
少女は頷いて 扉に手をかけて そっと開いた
扉の中からは 水っぽい香りが漂い 羊は身震いした

中は明かりが灯されておらず暗かったため 少女は杖を取り出した
そして 羊から花をとって杖の先につけ 祈った
あなたがくださったものに あなたの光を宿らせてください
あなたのことばをここに止めて 私たちの足がつまずくことのないように守ってください
そのことばのとおりに 花は光り出して 少女たちの前を照らしていった
そこには通路があって 左右に扉がついていて その方がいる客室の廊下のようだった
少女たちはゆっくりと進んで 水の香りのする方へと歩いて行った