第23話 その4

その方は手続きを済ませたあと 子どもたちのところへ来て言った
食事をしにいこう
羊たちは顔を上げ その方を見た
食事の準備はしてあるのですか?
女性は尋ねた
その方は女性を見て言った
わたしはとっておきのものを用意してある
だから わたしについてきなさい
子どもたちは立ち上がり その方のあとをついていった

船の中は 外の見た目どおり広く 多くの人がその目的のために行き来していた
酒場や市場のような場所があり また 船に同行する人を募集する人もいた
その方はその間を通り抜けて行き 何度か階段を上って言った
その先には 外へと出る場所があり テーブルとイスが並べられてあった
そこには すでに食事が並べられてあった
羊たちは目を輝かせた
その方は言った
ここからは 遠くまで見ることができる
また 空気も滞ることなく吹いているから 食事をするのに適している
女性は手を合わせて言った
素敵な場所です
その方は子どもたちを席に座らせ 自分も席に座ると 食事の宣言をされた
おなかがすいていたのか 子どもたちは一目散に食事のバケットに手を伸ばして それにかぶりついた
主な食物は 魚を焼いたものを野菜と一緒にパンで挟んだものや 行き交う船から仕入れた加工肉や卵を乗せて焼いたパン
中には それらを麦と一緒に炒めているものもあった
羊と女性はがつがつと食べ 口の周りにも調味料がべったりとついていた
少女と王女はそれを見て笑い 女性は手でそれを隠して拭ったが 羊は気にせず食べ続けた

その方は食事をしながら遠くの方を見つめていた
その先の空は うっすらと黒い雲が集まりつつあった
空であれ 地であれ 種が蒔かれれば ほかのものはそれに集うものである
そう言って その方は食物を口に運んだ