不機嫌な森のくま

ある森に一匹の熊がいた
その熊はいつも不機嫌で 周りに当たり散らし
他の動物たちを恐れさせていた
そのため 熊はいつもひとりぼっちだった

熊は周りにだれもいなくなると ため息をつき うなだれて 自分を責めていた
どうして自分は 周りに当たってしまうのだろうか
どうしていつも ひどいことをしてしまうのだろうか
その光景を 小鳥たちは見ていて 皆に告げた
そのため 動物たちは 熊の心の中を知っていた

あるとき その森に訪れる方がいた
その方は光を放ち 空にある光も恥じらうほどに 輝いていた
動物たちは その方の元に集まり また供え物を携えてこぞってきた
しかし その方は 一切受け取らずに まっすぐに歩まれた
その先には 熊がいた

熊はその方に気付くと いつもの不機嫌が吹き飛び
その方の前にひれ伏して こういった
どうか私から離れてください 私はこんなにも罪深いものですから

しかし その方は言われた
わたしはあなたのためにここまで来たんだ
わたしはあなたを選んでここまで来たんだ
その方は 熊に触れられて 言われた
ようやく触れられた わたしの愛する子
そのとき熊を縛っているものが解かれ
熊は激しく泣いた

その方は 熊の心を開かれて 言われた
周りを見てごらん
周囲には 動物たちが集まっていた
中には涙を流すものもいた
その方は
この子たちは ずっとあなたを心配していたんだ
どうしたら助けられるか ずっと思っていたんだよ
そして わたしに訪ねて来て ここまでの道を開けてくれたんだ
あなたは一人じゃない

それを聞いた熊は もう一度泣き叫んだ

その後 森は全き平安に包まれ すべてのものが 笑顔で日々を送った