若者と扉

扉を前にして 一人の若者はうなだれていた
自分には これは開けられない
この道は ふさわしくない
先人達に比べたら 自分なんて
若者は そういって 扉に 手をかけることすらしなかった

父は激怒した
お前は何と比べるのか お前はどこにいるのか
多くのものが 願っても得られなかった権利と
その証である扉の前に立ちながら
なぜうなだれているのか
自分を見つめ 自分の願うものを求めよ
お前の情熱は 吹けば飛ぶようなものなのか

そして 父は 様々なものを供えられた
それは 技術であり 助ける人であり 環境であり 時には試練でもあった
若者は 耐えた
いや 耐える力すら供えられたものであり 若者もそれを知っていた
そして 道を進み続けた

いま 若者は 扉の前にいる
彼は もううなだれることはなかった

若者は 迷うことなく扉に手をかけ その奥へと進んでいった