言葉という賜物

父は子らに その御力を与えられた
それは 言葉であった
口から出るもの
目には見えないものであったが
それは 体のほかの部分では 到底なしえないことを
現す力を持っていた

父は 子らに教えられた
言葉は あなたたちのために わたしと同じようなものとして歩むために
こうして与えたんだよ

子らは喜んで その声を上げた
声は言葉を世界に運び 紡がれた一つ一つが 世を彩った

それは 海を押し広げ 境を作り 水をとどめた
それは 森を作り 獣を生み 食物となる実を芽吹かせた
それは 風となって 世界をめぐり 光と恵みとを運んだ

父は それを見て喜んだ
父が 世界を創るときのように 子らが紡いだ言葉が
世界を組み立て 父の御心のままに 命を得たからである

それは 創造の力だった
人に与えられた 特権であり 凶器であった
だから 父は言った
壊す言葉を 使ってはいけないよ
それは あなた自身を 穴に落とすものとなるから
あなたが 穴に落ちて 自分を見失うといけないから

人は穴に落ちたとき どうするのか
必死に登ろうとして ダメだと悟ったとき どうするのか
その口から 力の限り叫ばないだろうか
言葉を紡ぎ 世界に訴えないだろうか
私を助け出してほしい と

父は 子らが穴に落ちたとき すぐに救い出してくださる
それは 子らが穴にいることが 父が望むことではないからだ

恥とは何か
まことに 穴にいる自分を認めないことではないか
ただ 自分が穴にいることを責める自分自身ではないか

あなたは 自分の助けを願いなさい
それが わたしが望む最初のことである
わたしは いつも耳を傾けている
それをわからないのか

子らは叫んだ
お父さん 助けてください

父はそれを聞きつけると すぐに救い出された
そして 土を払い落とし 抱きしめた
決して離すことのないように
力強く 抱きしめられた

詩編103:2-5
わがたましいよ。主をほめたたえよ。
主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな。

主は、あなたのすべての咎を赦し、
あなたのすべての病をいやし、

あなたのいのちを穴から贖い、
あなたに、恵みとあわれみとの冠をかぶらせ、

あなたの一生を良いもので満たされる。
あなたの若さは、鷲のように、新しくなる。